園長からのひとこと【2018/08】

セミの声が本格的な夏の到来を告げています。今年の夏は、すでに猛暑が続いています。熱中症や水の事故等に充分に気を付けて、暑い夏を元気に過ごしていきたいと思います。

さて、今年も、日本各地で豪雨による災害が頻発しました。特に、隣の広島県や岡山県は、大変な惨状です。濁流に流され、行方不明になられた方のお話を聞きますと、胸が締め付けられるような思いがします。

仏教の修行の一つに「ダーナ」と呼ばれるものがあります。日本では「布施(ふせ)」という言葉で伝わっているものです。布施という行為は、「自分が大切にしているものを手放し、苦しみを抱える人の為に尽くす」という意味があります。布施の行いの中には、笑顔を見せる和顔施や好ましい眼差しを送る眼施、また、座る場所を譲る床座施など、私達が普段気をつけて行うことができる行為もたくさん説かれています。苦しくてどうしようもない時、些細な優しさが、苦しい心を大きく癒していくことがあると思います。

七月の三連休には、四万人を超えるボランティアの方々が被災地に入られたそうです。日本人の心の温かさを改めて教えられたような気がします。一人一人、できることには限りがありますが、私達も、人の痛みに無関心になるのではなく、一緒に心を痛めながら、自分にできる些細な優しさを大切にしていきたいですね。

2018-07-27