年末の慌ただしさが、身に染みる季節になりました。今年も終わりを迎えようとしています。
さて、ちょうど一年前に、新園舎建築工事に伴い、園庭のクスノキが伐採されました。大きく枝を張り、子ども達に素敵な木陰を作ってくれたクスノキは、嘉川保育園のシンボルツリーでした。一年前、重機によって、大きな枝がもぎ取られていく様子を、子ども達と一緒に、寂しい気持ちで眺めたことを思い出します。
この度、そのクスノキが、素敵なベンチになって、嘉川保育園に帰ってきてくれました。嘉川保育園から徒歩2分程度の場所にあるシーティング工房Haruの社長さんが、新園舎完成の御祝に、手作りでプレゼントしてくださいました。社長さん自身も卒園児です。昨年まで園庭の木陰となって子ども達を支えてくれたクスノキが、これからは、体を休めるベンチとなって子ども達を支えてくれます。
無残に伐採されたクスノキの命が、無駄にならなかったことにほっとしています。また、形を変えながらも支えてくれる、命のありがたさも感じます。私達は、日々、様々な命の犠牲の上に生かされて生きています。その犠牲をしょうがないと済ますのではなく、なんとか無駄にしないように心がけるところに、人間らしさがあるのでしょう。それは、ありがとうの思いをたくさん持ちながら、日々過ごすことに他なりません。
今年も、世界に目を向けると、戦争によってたくさんの人々の悲しみが、世界を満たした一年でした。来年は、笑顔溢れる一年になることを願わずにはおれません。お互いに、様々なものに支えられている身のありがたさを味わい、一年の終わりを温かい感謝の想いの中で大切に迎えていきたいですね。
2023/12/22