新しい年が明けて、早くも一ヶ月が過ぎようとしています。今年は、お正月から能登半島地震が起こり、日本中が驚きと悲しみに包まれる中で始まりました。時間が経つにつれ、その被害の大きさと悲惨さが明らかになっています。
仏教の修行の一つに「ダーナ」と呼ばれるものがあります。日本では「布施(ふせ)」という言葉で伝わっているものです。布施という行為は、「苦しみを抱える人のために、自分が大切にしているものを手放し、幸せを分け与えていく」という意味があります。布施の行いの中には、募金のような財施という行いもありますが、その他にも、笑顔を見せる和顔施や好ましい眼差しを送る眼施、また、座る場所を譲る床座施など、私達が普段気をつけて行うことができる些細な行為もたくさん説かれています。
地震から四日目、ボランティアによる炊き出しに涙を流す被災者の姿が報道されていました。苦しくてどうしようもない時、人の些細な優しさが、その苦しい心を大きく癒やしていくのでしょう。一人一人、できることには限りがありますが、私達も、人の痛みに無関心になるのではなく、一緒に心を痛めながら、自分にできる些細な優しさを大切にしていきたいですね。
保育園では、発表会の練習が進んでいます。一生懸命に取り組む子ども達の姿には、いつも大きな感動を頂いています。人数制限のない発表会は、実に四年ぶりになります。子どもも保護者も職員も、みんなが笑顔になれる素敵な発表会になると思っています。ぜひ、子ども達に温かい応援をよろしくお願いします。
2024/1/29