雨に濡れた紫陽花の美しさが、心和ます季節になりました。田んぼで鳴くカエルの声も、梅雨の季節の到来を告げています。
先日、児童文学作家の、くすのきしげのりさんのお話を聞く機会がありました。くすのきさんは、現在、200タイトルを超える児童向けの絵本を発表されており、その作品は、日本のみならず海外においても広く読まれています。どの作品も、人の心の温かさを題材にした情感豊かな物語が紡がれており、ぜひ親子で読んでいただきたいおすすめの絵本です。
そのくすのきさんが、デジタル化が進む現代において、幼児期に紙の絵本を読むこことの大切さをお話くださいました。紙の絵本は、デジタル機器にはない手触り、重さ、匂いなど、五感を通して物語に触れることができます。また、質の良い物語は、大人も一緒に楽しめるものです。親子で五感を通して、同じ感動を共有できるのが紙の絵本の魅力だそうです。
絵本を読むことで、文章を読み取る力、絵から想像する力が育まれていきます。その力は、相手の心を推し量り、思いやる心へと繋がっていくといいます。また、様々な質の良い物語に触れることは、固定観念や先入観にとらわれない豊かな思考が育てられていくそうです。
幼児期の親子で絵本を読む時間は、子どもにとって、人としての情感が豊かに育っていく大切な時間だということでしょう。雨の多い梅雨の時期、親子でほっかりと感動できる素敵な絵本を読める時間も持てるといいですね。
2024/6/28