園長からのひとこと【2016/01】

年末の慌ただしさが、身に染みる季節になりました。人それぞれの味わいの中で、時は過ぎてゆきます。各ご家庭で、今年一年の思い出を振り返ってみてはいかがでしょう。子ども達は、きっと素敵な思い出を語ってくれることでしょう。
さて、今年の冬は、本当に暖かい日が続いています。年末になっても、こんなに暖かい日が続くのは、はじめてのことではないでしょうか?テレビや新聞などでは、「異常気象」という言葉が、盛んに叫ばれています。このまま、気温が上り続ければ、今までに経験したことのない自然災害が起こり、生き物の生態系も大きく変化していくといいます。子ども達が、大人になるころには、世界の姿が、大きく変わっているのかもしれません。
今日の温暖化と異常気象の原因は、自動車や工場から排出されるガスが、大きく関わっているそうです。自動車や工場で生産される様々な製品は、人間が幸せに暮らすために作られたものです。それによって苦しめられるとは、実に皮肉なものです。お釈迦様は、自分の幸せを追求するところには、本当の安らぎは決して訪れないと教えています。今日の温暖化や異常気象といったものは、人間だけの幸せを追求してきたところに大きな原因があるような気がします。
仏教では、湿気の中から生まれるカビのような命にも仏様の慈愛が詰まっていると教えています。自分の身の回りにある様々な命を愛おしく思えるような眼差しは、これからの世界では、本当に大切なものになってくるのではないでしょうか。暖かい年末を迎えた今年、改めて、自分以外のものに対する優しい心遣いについて、共に振り返る年にしてゆきたいですね。

2016-01-01