あちらこちらで鯉のぼりが元気に泳ぐ季節になりました。保育園では、新しい年度がスタートし、一ヶ月が経とうとしています。新入園の子ども達も、保育園に慣れ始め、素敵な笑顔も見られるようになりました。
先日、年長の子ども達と一緒に県庁の鯉のぼり掲揚式に行った時のことです。県庁の周りや帰りに立ち寄った維新公園には、春の自然を感じさせるものがたくさんありました。
てんとう虫やトンボ、様々な花を見つけるたび、大喜びではしゃぐ子ども達の姿に、ほっと心和まされたことでした。様々な命に触れることを、心から感動できることは、人として本当に大切なことだと思います。
命に対する感受性に関して、植物学に造詣の深かった昭和天皇の次のようなエピソードが思い出されます。ある日、昭和天皇が、侍従の方とお庭をお散歩されていた時、侍従の方が「ここから先は、雑草ばかりです。」と申し上げられたことに対し、「雑草という草は
ありません。名のない草などないのですよ。」とお答えになられたことがあったそうです。確かに、無造作に生い茂っているように見える一つ一つの草にも名前があり、宇宙の中でその草にしかない尊さがあるはずです。私たちは、忙しさの中で、気づかないうちに、そんな命を雑草としか見てゆくことのできない貧しい感受性を持ってしまっているのではないでしょうか。
春の陽気の中、キラキラと輝く様々な命と触れ合い喜ぶ子ども達の姿もまた、キラキラしていました。今、外は、春の自然で満ちています。忙しい中にも、親子で外をゆっくりと散歩しながら、草花の命に想いを馳せてみるのも大切なことですね。