園長からのひとこと【2017/04】

桜の花が満開に咲く中、いよいよ、新年度がスタートしました。新入園児の皆さんをお迎えし、一つずつ大きくなった在園児の皆さんと一緒に、今年度も、笑顔あり涙ありの素敵な日々が始まります。
親鸞様のお名前にも使われている鸞(らん)という鳥がいるのをご存知でしょうか。この鳥は、お経の中にだけ説かれている架空の鳥です。この鳥の羽の美しさはまばゆいほどに美しく、見たものは誰でも心を奪われてしまうほどだそうです。しかし、その美しい鸞の卵から生まれてくるヒナは、親鳥とは似ても似つかないみすぼらしい姿をしています。あまりに自分の姿と違う親の姿に、ヒナは自分の親を親と思えず、親に背を向けて親から逃げていってしまいます。それを見た親鳥は、その美しい自慢の羽を泥の中にこすりつけ、自分も同じようにみすぼらしくなって、どこまでもヒナを追いかけ寄り添っていこうとするのです。この鳥は、本物の真心というものが、具体的にどんなものであるのかを教えるために説かれています。本物の真心は、自分の都合を捨てて、どこまでも相手を悲しみ慈しんでいく心です。嘉川保育園にご安置されている阿弥陀如来様は、そんな本物の真心を象徴的に表しています。
保育園での生活は、子どもにとって、楽しいこと、うれしいことばかりではありません。しかし、日々の様々な経験の一つ一つが、子ども達にとってかけがえのない成長の糧となっていくことと思います。み仏様のお心の中で育まれる子ども達の姿が、一年後、どんな素敵な姿に成長していくのか、今から楽しみでなりません。
これからの一年間、保育園と保護者の皆様とが車の両輪のようになって、子ども達の限りない輝きを支え、一緒に心からその輝きを喜んでいくことが出来ればと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

2017-04-07