連日酷暑が続いた夏も、少しずつ終わりが近づいてきました。保育園では、4月に出来たばかりの新園庭で運動会に向けた練習が始まります。過ごしやすくなっていく季節の中、子ども達の成長がいよいよ楽しみですね。
運動会について、以前、ある60歳代の女性の方から、こんなお話を聞かせていただいたことがあります。その女性は、小学生の頃、とても運動が苦手で、運動会のかけっこでは、いつもビリだったそうです。一生懸命に走るけれども、どうしても速く走ることが出来ません。それが、その女性にとっては、とっても恥ずかしいことで、運動会の日が近づいてくるのが、毎年、憂鬱だったそうです。
しかし、ある年の運動会の日、お母さんの一言が、その女性の意識を変えます。その一言とは、「お母さんには、〇〇ちゃんの姿しか見えてないのよ」というものだったそうです。他の子と比べて、足が遅いことに悩んでいたその女性は、自分のありのままの姿をそのまま愛してくれる母親の眼差しに心が救われたといいます。そして、60歳を超えた今でも、その時の母親の温かさを思い出すと、どんなことでも頑張れるということでした。
人は、そのままの自分を認め愛してくれる眼差しがあれば、少々寄り道をしても豊かに成長してゆけるのでしょう。これから始まる運動会の練習では、子ども達それぞれに他とは比べようのないかけがえのなさを、園庭いっぱいに輝かせてくれることと思います。当日の子ども達の姿を楽しみに、温かい応援をよろしくお願いいたします。
2024/8/29