満開だった桜の花もすっかり散り、新緑の美しい季節になりました。保育園では、新しい年度がスタートし、一ヶ月が経とうとしています。新入園の子ども達にも、素敵な笑顔が見られるようになりました。

 さて、先日、朝のお勤めが始まる前、保育園の二階ホールにツバメが一羽、迷い込んできました。近くで飛び回るツバメの姿に、子ども達も、大変驚いたようでした。

 ツバメは、この時期、子育てのために、はるばる東南アジアの国々から日本に渡ってきます。ツバメの巣は、カラスなどの天敵からヒナを守るために、人の気配がたくさんするところを選んで作るといいます。子ども達の賑やかな声は、これから子育てをするツバメにとって、とても魅力的に映ったことでしょう。親鳥は、一つの巣で、だいたい五羽のヒナ鳥を育てるそうですが、一羽のヒナ鳥が一日に食べる虫の数は、おおよそ百匹だそうです。親鳥は、一日に三百回以上、巣と餌場を往復し、自分達の餌も含めて、約千匹の虫を捕獲するそうです。子育てが大変なのは、人間だけではありません。ツバメの親もヒナ鳥のために日々、必死で生きています。しかし、ヒナ鳥への愛情をもって飛び回る親鳥にとっては、それが、幸せな生き方なのでしょう。

 人も、様々な人達の温かい苦労の中で育てられていきます。子育ての苦労の中には、他には代えがたい喜びがたくさん詰まっています。子ども達の命を慈しみ、苦労の中にも命としての美しさを輝かせていける、そんな愛情深い毎日を大切にさせていただきましょう。