今年度も、残すところ、あと一ヶ月となりました。発表会では、本当にたくさんのご家族の皆様にお越しいただき、まことにありがとうございました。それぞれに成長した子ども達の姿を大切に受け止め、残りの一ヶ月も丁寧に過ごしていきたいと思います。

 さて、先日、乳児についての興味深い記事を見つけました。それは、手に持っているものをわざと落とす乳児特有の行動についてのものでした。乳児の時期は、手に持っているものをわざと落とすという行動がよく見られます。これは、乳児が、非常に高度な学習をしているサインだというのです。一つには、物を手から離すと下に落ちるという「重力」の存在を学んでいるそうです。二つには、物が見えなくなっても存在し続けているという概念を学んでいるそうです。そして、三つには、自分が物を投げると、大好きなお母さんやお父さんが反応してくれるという、言葉を使わないコミュニケーションを学んでいるそうです。子どもの行動には、その一つひとつに、とても大切で素敵な意味が込められているのです。

 以前、日本を代表する哲学者であり俳人でもあった大阪大学名誉教授の大峯顕先生が、正法寺にお越しくださった際、お茶碗を転がして遊んでいる乳児を見られて「お茶碗が転がることが、不思議なんだねぇ。」とにこやかに呟かれたのを思い出します。子どもが見ている世界は、とても豊かで驚きと感動に満ちているということなのでしょう。大人にとっては、当たり前の何でもないことが、子どもにとっては、キラキラ輝く感動すべき景色として映っているのです。大人が失ってしまった子どもの豊かな世界を感じ、教えられていくことも、子育ての中の幸せな瞬間ではないでしょうか。

 年度末年度初めに向けて、忙しい日々が続いていきます。忙しいというのは、心を亡くすと書くように、日々の中で驚きや感動することが無くなっていくことです。忙しい中にも、子どもの世界に共感し、子どもと共に育ちあえる素敵な毎日を大切にさせていただきましょう。