白カタツムリの童話と忙しい日々
園長から新緑が美しい季節になりました。これから梅雨の季節を迎えます。雨の季節ならではの美しさや楽しみも、子ども達と一緒にたくさん見つけていきたいと思います。
先日、雨上がりの庭で、久しぶりにカタツムリを見つけました。最近は、気候変動などでカタツムリも減少傾向にあるそうで、見つけるのが難しくなっているそうです。渦巻き模様の殻とゆっくりと動く見た目のかわいらしさから、子ども達にも人気の生き物です。
アンデルセン童話の中に『白カタツムリ』というお話があります。大きなお城の庭に住む人間の食用にされていた白カタツムリのおじいさんとおばあさんのお話です。この白カタツムリのおじいさんとおばあさんは、人間に食べられるということの本当の意味を知りません。本当の意味を知らないまま、お城の大きなお皿に盛りつけられることを素敵なこととして夢見ているのです。しかし、そのお城も今はなくなってしまって、白カタツムリを食べる人もいません。また、白カタツムリのおじいさんとおばあさんは、普通のカタツムリの子どもを我が子として育てます。しかし、普通のカタツムリは、白カタツムリのようには大きくなりません。そのことを知らないまま、おじいさんとおばあさんは、自分たちと同じようにお城で素敵な料理になれるように、愛情いっぱいに子どもを育てていくのです。この白カタツムリのおじいさんとおばあさんは、本当のことは何も知らないままで、とても穏やかで幸せな日々を送っていきます。あのゆっくりと穏やかに動くカタツムリらしい人生が描かれたお話です。
この白カタツムリの童話は、忙しい現代社会に生きる私達に大切な意味を投げかけてくれているように思います。私たちは、できないことがあると、できない自分が不安になり、社会の中で生きづらさを感じていくことがあります。しかし、無知でのろまなことは、実は、幸せなことでもあるのです。それは、周りと比べて、できないことを悲しむよりも、そのままの自分を大切にしながら、自分のペースで進むことができるからでしょう。
子育ても仕事も、多くの情報の中で頑張っている私達ですが、カタツムリのように、ゆっくりと穏やかに、そのままの自分を大切にできる毎日を送れると素敵ですね。

